賃借建物の内装工事の耐用年数は建物の耐用年数と違う!?

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不動産物件など自分の所有物件の内装工事を行った場合には、その工事費を確定申告の際に原価償却して経費として計上することが出来ます。しかし、事務所や店舗として賃借している建物で内装工事を行った場合は計上することが出来るのでしょうか?今回は賃借建物にスポットをあて内装工事の経理処理についてお話したいと思います。

・賃借建物での内装工事は計上できる?

事務所や店舗を賃借している方の多くは、経営にあたって建物内部に造作を行うことや、内装工事を行うことがあるかもしれません。建物本体は自分の持ち物ではないにしても、内装部分は資産といえます。ですから、その内装工事に関しては他人の建物であっても、資本的支出に該当するため固定資産として原価償却して計上することが出来ます。
しかし、一般の建物と同様、固定資産への計上方法は同じですが、原価償却を行う耐用年数の基準が異なってくるので注意が必要です。

・賃借建物に関する耐用年数

通常、内装工事を経理処理する場合は、元々の建物の耐用年数を適用して減価償却を行います。工事内容や規模に関係なく用途とその構造に応じて定められた法定耐用年数をもとに計算するのです。しかし賃借建物に関しては、下記のように法律で定められています。

[平成28年4月1日現在法令等]
法人が建物を賃借し、その建物に造作を行った場合には、その内部造作を一つの資産として耐用年数を見積もった年数により償却します。この場合の耐用年数は、その造作をした建物の耐用年数、その造作の種類、用途、使用材質等を勘案して合理的に見積もることとされています。

 ただし、その建物について賃借期間の定めがあり、その賃借期間の更新ができないもので、かつ、有益費の請求又は買取請求をすることができないものについては、その賃借期間を耐用年数として償却することができます。
 なお、同一の建物についてされた造作は、そのすべてをまとめて一つの資産として償却をしますから、その耐用年数は、造作の種類別に見積もるのではなく、その造作全部を一つの資産として総合して見積もることになります。
(国税庁HPより)

要するに、賃借建物に関しての耐用年数は構造ではなく用途や材質に応じた合理的な耐用年数、または賃借期間を耐用年数としても良いということになっています。また、工事の中には電気設備や給排水設備など建物附属設備として、建物とは区分して資産計上できるものもあるので、工事内訳に注意が必要です。

・まとめ

建物のオーナーと、店舗や事務所として賃借している人が異なる場合でも、内装工事を行った場合は、固定資産として、その工事費を原価償却して経費として計上することが出来ます。

ただし、減価償却費を計算する基準となる耐用年数に違いがあります。一般的に内装工事費を計上するために使う耐用年数は建物の構造と用途によって予め定められている法定耐用年数を用いますが、賃借建物に関しては、用途や材質に応じて、または賃借期間を耐用年数としても良いということになっています。

工事の中には建物附属設備に該当するものもあるので、計上の際には細かい区分が必要となってくるかもしれません。複雑な部分や専門的な分野もあるので、内装業者や税理士さんに協力してもらいながら確認していく事をおススメします。

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