
『ユニバーサルデザイン』って近年よく聞きませんか?
この言葉自体は1980年代に提唱されたものですが、身近になってきたのはここ10年くらいのような気がします。
ユニバーサルデザインの7原則
1.誰でも公平に使えること
2.使う上で自由度が高いこと
3.使い方が簡単でわかりやすいこと
4.必要な情報がすぐに理解できること
5.うっかりミスが危険につながらないこと
6.身体への過度な負担を必要とせず少ない力でも使えること
7.使いやすい十分な大きさと空間が確保されていること
「バリアフリーと何が違うの?」
バリアフリーは「バリア(障害)」を取り除いたフリーな状態ですよね。
ユニバーサルデザインは年齢、性別、障害の有無など関係なく利用しやすい。よく使われる表現で言えば「すべての人のためのデザイン」というものです。言葉の意味的には「ユニバーサル」には、「普遍的な」「すべての」 という意味があり、「デザイン」には、「計画」「設計」「考え」という意味があります。英語記述が「Universal Design」なので、「UD」(ユーディー)と省略して表記されます。
ユニバーサルデザインの対象は、ハードだけではなくソフト面も含みます。
当社は住宅リフォーム会社ですので、住まいの「UD」の基本をご紹介したいと思います。
家は、建てると10年、20年と暮らしていく場所です。家族構成や暮らし方が変化して、リフォームをしたり建て替えをする家もありますね。
でも、UDの基本をおさえて家を建てれば、誰もが暮らしやすいので、そのままで永く住み続けることができます。手を入れたとしても少しのリフォームで済みます。
UDの家の例を空間ごとに例を挙げていきたいと思います。
まずは居室に入る前のエクステリアから
門は引き戸
引き戸なら後ずさりする必要がありません
敷地が狭い場合、引き戸だと奥行きが要らないので、土地を有効に活かせます。
階段は一段を低く
段は低く、足をのせる面(踏み面)は室内より広めが◎(靴を履いているので)
ただし、ゆるやかにし過ぎても間延びして歩きにくくなるので、リズムよく昇り降りできるようにしましょう。
滑りにくい・見やすい
濡れても滑りにくいものを使い事故を防ぎましょう。段差がわかりやすいよう、角(段鼻)の色はコントラストをつけると見やすいですね。
足元照明も組み合わせれば夜も安全性が高くなりますね。
手すりでサポート
降り口と昇り口には20cm以上の水平部分を設け、スムーズに動作をサポートできるようにしましょう。階段の手すりの高さは、くだりの時につかむ位置が低くなりすぎないように、廊下や通路の手すりより少し高めにします。
玄関ドア
開き戸だと押さえていないと閉じてきたり、風にあおられたりすることもありますが、引戸だと手放しでも開けたままにでき、荷物をたくさん持っていたり、小さい子供さんを抱っこしていたり、ベビーカーや車椅子でもスムーズに出入りできますよ。
家を建てる時は、スロープや手すりなんて必要かな?と思うかもせれませんね。
でも、子供が生まれてベビーカを使う時期や、車いすでもスロープや引戸がとても便利ですよね。健康な時にはあまり考えつかないですが、例えば腰や足を怪我したりしたら手すりが有ると助かりますよね。車いすの生活が想像つかないという人もいるでしょう。でも一人暮らしの親が歩行も困難になってきたからうちでみることにした…という話だって結構聞きますし、年齢を重ねていくと自身が使うようになるかも知れません。急に車いすが必要になるとういう事にならないにしても、足腰が悪くなってくるとやっぱり手摺は必要だったり・・・
以上のような感じで、UDの基本をおさえておけば、急に無理くりなリフォームをしなくていいんです。居室ごとのUD案も追々ご紹介したいと思いますので、参考にしていただけたらいいなと思います。